The Cinematic Orchestra presents In Motion #1

The Cinematic Orchestra presents In Motion #1 [解説付 /国内盤] (BRC329)

The Cinematic Orchestra presents In Motion #1 [解説付 /国内盤] (BRC329)

僕が作りたいのはポピュラー・カルチャーに根ざした音楽で、そのためには映像との結びつきや映画音楽の影響が重要なんだ。ヴィジュアル・アートを勉強していた僕にとっては、映像と音楽が結びついていくのは自然な流れだった。『Man with a Movie Camera』では、ジガ・ヴェルトフの無声映画という既成の映像に音楽をつけることで、ふたつが結びついた。『Ma Fleur』ではオリジナルの映像を想定して音楽を作った。僕は複雑で強烈なインパクトをもたらす映像というメディアとの結びつきを模索することで、新しい音楽を作ることができると思う」 - by ジェイソン・スウィンスコー

ジャズっぽいアンビエントアンビエントって時間を意識してそれに表現を与える音楽と、大雑把に言えると思うけど、ジャズもどちらかというとそういう形態の音楽なんだなと知った。リズムやメロディーがメインとなる物語的な音楽と違って。
時間を意識することって、音符という記号の中に決まった意味を発見する作業というより、その記号に意味を付与する作業といってよいのでは。リズムやメロディーが主体の音楽はただ一通りの時間軸しか許されないが、時間を意識する音楽はおのおのが時間軸を設定できる主体となるわけだ。その時間の枠組み設定が音の意味を生む、或るいは物語を生むということだ。ということはその枠組み自体に意味があるのか。うーーん混乱してきた。
そうすると無声映画とは、枠組みだけの非物語的疑似物語、前意味的な意味の場とでもいうことになるのか。物語るのは我々自身で、意味を与えるのは我々自身であるという意味で。そこに映像の、また音楽の本質みたいのが隠れているんじゃないかな。認知の枠組み=記号の原風景=サウンドスケープ、そんなところに何かヒントありそうだ。以上は勝手な連想。

ただいえることは、こういう種類の音楽はジョン・ケージの影響が絶大だということだ。ある臨界を覗き込みそしてクラシックに回帰する、みたいな。

音楽だけでも素晴らしい。