朝永先生の物理学史

物理学とは何だろうか〈上〉 (岩波新書)

物理学とは何だろうか〈上〉 (岩波新書)

主な内容。

中世においてまだ支配的であった占星術のような前科学的な体系から、ケプラーガリレオニュートンにいたる中で、学問体系としての天文学が確立されていく過程。そのうち、記念碑的出来事であるニュートン力学について。

他方、同じ時期まで影響力が残っていた錬金術から、化学が生まれくる歴史。原子論に近い考えをまとめて、その先駆けとなったボイルについて。

最後に、ワットの蒸気機関の発明から熱の科学の発展。そこから導かれるエネルギー保存則とエントロピー増大則について。そこでのカルノー、クラウジウスの貢献について。


私にとってはエントロピー概念についての記述がもっとも集中して読んだところだった。でも、すっきり理解できない感は多少残ったが。